2月のとある日、家に見慣れた青い封筒の配達記録郵便が届いた。
ただ、いつもと違ったのはその封筒が280円分の切手が貼られた配達記録郵便であったコトと、その中身がライブの招待状(チケット)ではなかったというコトだ。
その中身はと言うと、2800円の郵便為替と「2月11日『加護亜依、アヤカのパシフィックヘブン』イベントにご当選されたお客様へ」と言う見出しで始まった、いわゆるお詫びの趣旨の文章のプリントされた紙だった。
その文書にはこうも書かれていた。

今回『加護亜依、アヤカのパシフィックヘブン』イベントにご当選されたお客様に対して4月・5月・6月に行われます『パシフィックヘブン』のイベントのうちいずれか1公演を優先的に受け付けさせて頂きます。

まぁ要するに申し込んだ後にFCに電話をすれば、当選出来るようにしてもらえるような内容でした。
そしてオレは小さな希望を胸にパシフィックヘブンイベントの出演メンバーの発表を待つコトにしました。
4月公演…、5月公演…、そして6月公演も…、結局発表された公演の中で「加護亜依」の名前を見るコトはありませんでした。
当選者に対しての埋め合わせだろうし、せっかくなのでどれか申し込もうかとも思ったのですが、結局は申し込みませんでした。
パシイベってのはもの凄い空間だし、特別好きなメンバーじゃなくてもかなり楽しめるとは思います。
でもやっぱりオレなんかが6月に公演のあるメンバーのファンの夢を奪っちゃいけないよね。
しかもオレにとって「加護亜依」の代わりになるメンバーなんて他にいないんだから、いくら他のメンバーで埋め合わせしてくれようとしたって申し込む気になれるハズないよ。