喜怒哀楽な2日間 〜ぶち壊された彼女との時間…大宮編〜
2005年8月27日。多くのハロプロファンが現場という場所で素晴らしい想い出を作った日に違いありません。
“「モーニング娘。/色っぽい じれったい」発売記念 東名阪握手サーキット”や“安倍なつみ ハワイツアー”の感想からは溢れんばかりの幸福感が伝わってきます。
そして、その日はオレにとっては数年間にも及ぶハロプロ現場での活動の中でも、最も最悪な思いをした日と言っても過言じゃない日となってしまいました。
この大宮公演は握手会の誘惑を打ち消したコトによって「亜依ちゃん大好き!」という気持ちがいつも以上に高ぶっていたし、握手会という場で幸せな思いをする多くのファン達にも負けない位の幸せを得られる場になるハズでした。
前にも言ったようにS.C.S(Super Challenge Seat)だったのですが、気持ち次第でいくらででもステージ上の亜依ちゃんと一体感を味わえるので問題はないはずだったのですが、S.C.Sであるが故に遭遇してしまう被害に遭ってしまいました。
平たく言えばマナーの悪いベリヲタによる被害にあったって訳です。合同が決まって以来恐れてはいたのですが、すっかり平和ボケしていたのか忘れていました。
状況を説明すると後がチケ交換などで集結した多連番(6連番)でとにかく五月蠅い。まぁ前の席を譲ってでも後に下がって連番したがる連中なんで、どのような連中だったかはある程度は想像付くと思います。そういった連中なんで当然大人数による悪ふざけをし放題でした。
得意げに気色悪い奇声をあげたり、ライブとは関係無い身内のネタで盛り上がってる。しかも人数が多いもんだから声が大きい。人のしゃべり声なんて気にしなきゃ良いって分かってるんだけど、一度気になり出すと気になってしょうがありません。ハエや蚊、ゴキブリなどの害虫と同じ類ですよ。
その中でもオレの後の席であるはずの奴が右横が通路だったコトをいいコトに通路に出てオレのスグ右斜め後にいる。しかも必死に踊り狂うオドリスト。時折オレの頭にぶつかったりしていたし、ぶつからなくても大きな振りで踊っているので、オレの頭をかすめたり耳元に聞こえる風の音や気配がもの凄く不快でした。見えない後(しかも傾斜があるために斜め上)からのこういった気配による不快感は相当なモノでしたし、いつか強くぶつられるのではないかという恐怖すら感じました。ついでに言うと汗が飛んできてそれもかなり不快でした。
一応ぶつかる度に振り返って不快な態度を示してみせたのですが、謝ったような素振りをするから文句を言いつけにくかったし、6連番の連中なので言いがかりを付けて逆ギレされてたら最悪です。まして1対6なので勝てる訳もありません。
まぁ、揉めたりして楽しい時間になるハズのライブを台無しにしたくないって気持ちもありましたし、彼女にファンのそんな無様な姿は見せられませんしね。
なのでオレには座席の可能な限り前に行くという防衛手段しかなかったのですが、今度は通路を挟んで右斜め前の奴がオレの斜め前の通路に出て来て必死に踊り始める。大きく踊り、時折広げた手がオレの顔の前にちらつく。ぶつかるんじゃないか?って思い避ける場面もしばしば。前後挟み撃ちですよ。
係員に言うにも、係員が見回りを一切していないという係員不在の状況だったのも不運でした。
そして左斜め前の4連番は必死なヲタ芸師。普段はヲタ芸師は気にしないようにしているのですがココまでくると視界に入るだけで不快になってくる。さらにはオレの左隣りのヤツがそのヲタ芸を見て出来もしないロマンスを中途半端にしてるもんだから、さらに不快度は高まってくる。
ここまで悪条件が重なるとライブに集中出来るハズもありません。なのでオレは極力周りに影響されないように視野の狭まる双眼鏡を覗きオレと亜依ちゃんだけという自分の殻に閉じ籠もった心理的世界を作り出そうとしたのですが、彼女が「イェ〜〜〜イ!!」と会場を煽った時にもの凄い疎外感・孤独感を感じました。
彼女と一緒に盛り上がる場である会場で、会場の空気に浸れず双眼鏡を覗き自分の殻に閉じ籠もっていたオレが彼女の会場全体に向けられた煽りに応えられる訳がありません。同じ空間を共有しているハズなのに、彼女と同じ空間にいるという実感を全く持つコトが出来ませんでした。大好きな彼女が見える彼女と同じ空間にいるにも関わらずこんな気持ちになるなんてもの凄い淋しさです。また、そういった気持ちでステージ上で一生懸命歌う彼女を見るのは身を切るような思いでした。
亜依ちゃんに対する一途な想いを貫く為に、彼女を大好きだという男の正義を貫く為に、握手会に行くのを蹴ってまでして迎えた大宮公演でこんな思いをするなんて最悪ですよ。
「握手会に行って亀井さんと握手してウキウキしてた方がよっぽど幸せだったかもしれない」なんていう半ば自暴自棄な考えさえ思い浮かびましたよ。
いっそうこんな思いをするなら今すぐ会場から出て早く気持ちをリセットして明日の千秋楽に備えようとさえ考えたのですが、それはそれでオレの身勝手なだけだし、ステージ上で一生懸命歌う彼女に対しても一番失礼な行為だと思いやめました。
そんなこんなでずっと淋しさ、辛さに耐えながらライブを観ていたのですが、アンコールの「マイハピ」でもライブという空間に入れなかったオレをよそに、さんざぱら傍若無人な悪乗りをしていたベリヲタ連中が盛り上がってる様子に、腹立たしくなって来ました。
大好きなW(ダブルユー)のこの楽曲でオレが盛り上がれず、ましてやオレから幸せな時間を奪った連中が盛り上がってるんですよ。ヒドイ話じゃないですか?
まぁ、こんな感じでライブは終演したのですがステージを去る彼女を見ながら、オレはただ何も考えずに手を振るだけしか出来ませんでした。
ライブという会場で彼女との時間の共有感を味わえず、ましてや彼女の作り出す世界に浸れず疎外感・孤独感を感じ、ステージを去る彼女にも感謝の気持ちを持てなかったという、こんなにも後味の悪いライブは始めてでした。
しばらくステージを見ながらボーっとその場に立ちつくしていたのですが、いざ帰り支度で自分の荷物をまとめる為に振り返ると見ると、オレの後の席の連中はさっさと退席していて、その場には飲み終えたペットボトルなどのゴミが放置されていました。


この話は夜公演のコトなのですが、昼公演は充実したモノでした。ですが「終わり良ければ全て良し」の逆で終わりがあまりにも酷かった為に最悪の気分で大宮を後にしました。


〜感動の千秋楽!伊勢崎編〜へつづく


追記:この一件で痛感したのは、マナーを逸脱した連中に加害意識が全くないだろうってコトですね。いやむしろ自分が楽しむ為には他人への迷惑などを顧みない連中なのでしょうね。
更には、少なからず前半はライブに乗っていたオレが動かなくなった様子を見て「前にいた奴、どっ引きして動かなくなってやんのw」なんて盛り上がっちゃっていたかもしれません。
そりゃぁオレがどんな思いで会場にいるかなんてコトは知る由もないだろうけど、本来は会場内にいるというコトはライブの時間内を彼女達と最高の時間を過ごしたいって思っている人達ばかりのはずです。そういったあまりにも普通の幸せを求めている人の幸せを奪ったなどという感覚はまるでないでしょうし、それに快感を覚えているかもしれません。
そうなるともはや普通のファンの普通の幸せを奪うテロリストのようなモノです。「地下鉄サリン事件」や「アメリ同時多発テロ」と程度こそ大きく違いますが、やっているコトは同軸にあるようなモノです。
善良な市民が無差別に巻き込まれた事件と同様に、善良なファンが巻き込まれるのは、ただの不運としか言いようがないのでしょうか?